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答案置き場

司法試験の過去問の答案をアップしていこうと思っています。

平成28年 民事系第3問

〔設問1〕

1、個々の訴訟において、当事者として訴訟を追行し、判決などの名宛人となることにより、有効な紛争解決をもたらすことができる地位のことを「当事者適格」という。当事者適格は、判決の効力との関係で無駄な訴訟を排除し、もって、訴訟経済の向上を図ることを目的として設けられた概念である。

  「判決」とは、訴訟物たる権利義務の有無の判断であり、判決の効力は「当事者」(133条2項1号)に及ぶ(115条1項)。判決は、実体法上の処分に準じる効力を有するため、私的自治の観点(民法90条)から、訴訟物について管理処分権を有する者に当事者適格を認めることが相当である。

  民法上、権能なき社団(29条1項)の財産は、構成員の総有となる。したがって、個々の構成員は、持分権がなく、社団の財産につき管理処分権を有さない。ゆえに、権利能力なき社団の財産につき訴訟を提起する場合、原則として、構成員全員が当事者となって訴訟を提起しなければならない固有必要的共同訴訟(40条1項)となる(28条)。もっとも、内部の規約等に従い、構成員のひとりに他の構成員が訴訟追行の授権をした場合には、授権された構成員に管理処分権が与えられるため、この者に当事者適格が与えられることになる(最判平6.5.31)。

  Xは、法人格を取得していない団体である。ゆえに、Xの構成員がYに対して本件不動産の総有権の確認訴訟を提起するには、原則として、全員が当事者として原告とならなければならない。

2、当事者適格は、訴訟要件である。ゆえに、Xの構成員の中にひとりでも訴えの提起に反対する者がいると、本件総有権確認訴訟は、訴え却下となる。もっとも、法人格なき社団が訴えを提起するには、構成員全員の同意が常に必要となると、実際問題として、法人格なき社団の構成員の裁判を受ける権利(憲法32条)の保障の観点から宜しくない。

そもそも、管理処分権を有する者に当事者適格を認めた趣旨は、管理処分権者について手続保障を与えることにより、自己責任として「判決の効力」を甘受させ、もって紛争解決の実効性を確保しようとしたところにある。したがって、構成員全員に手続保障が与えらさえいれば、当事者適格の趣旨に反しない。ゆえに、権能なき社団の構成員に訴えの提起につき反対する者がいた場合であっても、その者を、被告として訴訟に当事者参加させ、手続保障を与えれば、当事者適格は認められると解する。

Xの構成員の中に、本件総有権確認の訴に反対する者がいた場合、その者は被告として当事者に加え、訴えを提起すればよい。

3、訴訟要件の有無は、口頭弁論終結時を基準に決せられる。したがって、新たにXの構成員となる者が現れ、その者が訴えに同調する場合には、口頭弁論終結時までに原告として当事者に加えればよい。同調しない場合には、その者を被告として、総有権確認の訴を提起した上で、弁論の併合の申し立てを行う(152条1項)。

〔設問2〕

1、訴えの利益とは、判決を貰うことで紛争を解決する正当な利益を意味する。確認の訴えは、確認の対象が無制限であるため、紛争解決の実効性確保の観点から訴えの利益の有無を考える必要がある。

まず、過去の権利関係の確認を求めるよりも現在の法律関係の確認を認めた方が紛争解決に資するため、確認の対象は、現在の法律関係でなければならない(対象選択の適否)。そして、確認訴訟は、執行力を持たない点で、給付訴訟や形成訴訟よりも紛争解決としては迂回な手段であるため、他の訴訟形式では紛争を解決できないときに初めて認められるべきである(方法選択の適否)。また、紛争が現実化していなければ、判決を受ける実益が無いので、紛争が成熟化し即時確定の必要性が無ければならない(即時確定の利益)。

判例は、訴訟代理権の存否確認の訴を不適法としているが、これは、訴訟代理権の存否のような訴訟要件の有無の確認は、実体法上の争いではなく手続上の争いに過ぎないため、本案中で判断すれば足りるものであることから、即時確定の利益が無いとして確認の利益を否定したものであると考える。

本件地位確認訴訟や解任決議無効確認訴訟は、実体法上の争いであることから、判決で解決すべき性質を持つ。ゆえに、即時確定の利益が認められる。

また、両訴訟は現在の法律確認の訴えであり、確認訴訟以外に適切な方法もないため、対象選択、方法選択ともに認められる。

よって、両訴訟は、確認の利益が認められる。

2、反訴(146条)は、原告が中間確認の訴え(145条)を提起できるのに対応し、被告側からも関連する争いにつき一挙にまとめて判決を貰うことを目的とした制度である。ゆえに、本訴の訴訟資料を流用できる場合には、「本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求」に当たると解する。

  BがXの代表者であれば、第1訴訟の請求は認容される。そして、本件両反訴は、ともにZがXの代表者であれば認容判決が貰える。そうすると、第1訴訟、両反訴ともに争点は、Xの代表者は誰かというところにある。ゆえに、第1訴訟の訴訟資料は両反訴でも流用することができる。両反訴は、「本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求」に当たる。

  また、両反訴に専属管轄の規定はなく、反訴の提起により著しく訴訟を遅延させるともいえない(146条1項各号)。

  以上により、適法に反訴を提起することができる。

〔設問3〕

1、平成6年判例は、法115条1項2号を適用することにより、社団の構成員全員に対して判決の効力を及ばせたものであると考えられる。もっとも、法115条2項の正当化根拠は、「当事者が他人のために原告となった場合のその他人」は、当事者によって代替的手続保障がなされたことにある。

Zは、第1訴訟において原告Xと対立関係にあった被告であることから、第1訴訟においてXとZの利益は非両立の関係にある。ゆえに、第1訴訟において、原告の訴訟行為によりZに代替的手続保障があったとすることはできない。

①よって、Zに法115条1項2号を適用することはできない。もっとも、Zは「当事者」(115条1項1号)として、判決の効力を受ける。

2、既判力とは、判決の有する強制的通用力を意味し、主文に抱合するもの、すなわち、訴訟物の存否について生じる(114条1項)。既判力の正当化根拠は、手続保障による自己責任にある。

当事者は、口頭弁論終結時まで訴訟行為を行うことができる。ゆえに、既判力は、口頭弁論終結時を基準時として効力を生じる。

第1訴訟は、Xの本件不動産の所有権及びYに対する抵当権抹消登記手続請求権を訴訟物し、これが認容されている。ゆえに、既判力は、第1訴訟口頭弁論終結時を基準時として、かかる訴訟物の存在に生じる。

  そして、第2訴訟におけるZの主張は、第1訴訟口頭弁論終結時以前に、Zが本件不動産の所有権を有していたとするものであることから、第1訴訟の既判力に何ら抵触するものではない。

  ゆえに、②第2訴訟におけるYZの主張の対立点について第1訴訟の既判力は作用しない。

3、第1訴訟のあいうえおかきくけこ「信義則」によって社団できる私はえた考えぴーひゃら。

以 上

 

最後の設問は全くわかりませんでした。